永代供養と永代経 その2

1、言葉とは実に面白いものだなあ

 時々、こう感じることがあります。一つの言葉を聞いて具体的に伝わる言葉はいくつもあります。その逆に、ある言葉を聞いてその意味をすぐに受け取りれないものも少なくはありません。その代表といえるのが「永代供養」という言葉ではないかと思います。
 

2、永代供養って?

 皆さんならば「永代」という聞くと何をまず思い浮かべますか? 連想されるものの代表として「供養」ではないかと思います。

 実はこの「永代供養」という言葉が実にバラエティーに富んだ内容の言葉なのです。

お寺には「こちらで永代供養をお願いしたいのですが」・「納骨堂(墓)を探しているのですが、そちらのお寺には永代供養はやっていますか」、「息子たちが遠隔地に出て行って帰ってこないので永代供養をお願いしたい」等、いろんな方から様々な永代供養の連絡や相談があります。

 その尋ねて来られる方のお話を聞いてみてわかることなのですが、永代供養といっても「墓じまい」から「年忌法事」。または「墓探し」まで様々な事柄が「永代供養」という言葉で表現されているのです。そのどれも一つとして同じ内容のものがないといってもいいほどのバリエーションです。

 あまりに内容が掴めませんので、大概は「永代供養とおっしゃっているのはどういう意味で言っているのでしょうか?」とこちらから聞き返すほどです。つまり永代供養と一口でいっても規定や定義が人それぞれでバラバラなのです。見方を換えて言うならば、なんとも便利なニュアンス語であるとも感じます。

 これらを聞いてみて改めて思うのが、世間ではこれと言った定義があるわけではないのだなということです。

ですから、永代供養という言語は「無いようにみえてある。あるようにみえて無い。」のです。

 

3、永代経とは?

 また法要にお参りに来られた御門徒さんが「お寺へ永代経を納めたら先祖供養はしなくてもいいんでしょう?」と尋ねられたこともありました。この方は「永代経」と「永代供養」を混同されているようです。

では、永代経とはどのようなものなのかを尋ねてみたいと思います。

 真宗では『浄土三部経』=仏説 無量寿経(上・下)仏説 観無量寿経/仏説 阿弥陀経の三つのお経が正依の教典であるとされています。この教典(お経)というのは、釈尊の言葉を集めた「現語録」と言ってもいいでしょう。その釈尊の教えに真の人間になる道を学び尋ねる場がお寺(道場)なのです。
<お経の内容>
 釈尊は、生涯にわたって道を歩み続けることを説かれました。ですから、お経にはその釈尊の生前のメッセージが弟子たちの手によって記されているのです。その中には、「どうか阿弥陀仏の説く念仏の教えを聞いて生きるものになってほしい。真実に出遇ってほしい。この経を未来の人々に伝えてほしい」と釈尊は語られています。
<仏法を未来へ伝える>
 その釈尊が説かれた念仏の教えに生きた無量無数の先祖の志を受け継いで、私たちは教典に書かれた真実の教え、念仏の教えに出遇うのことが願われています。

 

4、まとめ

 厳しい言い方になると思いますが、お寺は皆様に代わって永代に先祖の世話をするためにあるのではありません。むしろ皆さんが身近なご先祖とのご縁を通して仏法に出遇うことを勧めるためにあるのです。

「真宗では先祖の供養をしない」とは言いません。そこでもう一度丁寧に考えていただきたいことがあります。

「永代にわたって先祖を供養する」ということを受け止めて深く考えてみますと、先祖が大切に護ってこられた仏法を子孫である我々が相続させていただくのが現代を生きる我々の使命ではないかと思うのです。

「先祖が大事」というよりも「先祖が何を大事にしてきたのか」ということが大切なのではないでしょうか。

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コメント

永代経と永代供養って違うんんですね。
私は同じようなものだと思っていましたし、それだけ人によって違うものだとも知りませんでした。友達や家族等でも、その手の話をすることがほとんどありませんから付け合わせて確認するなんてことはありませんものね。
それから、管理人さんの永代経の説明がもう少し欲しいなと思います。
私のようなシロウトでもわかるような説明が欲しいと思います。

  • ゆーよ
  • 2021/08/31 01:24

初めまして。萬行寺さんのブログ充実しているなと思い、メールいたしました。これからも頑張ってください。

  • こぶとりじいさん
  • 2021/08/31 01:27

言われている意味がよくわかりません。結局、永代供養の話はわかりますが、永代経ってなんでしょうか。

  • よもやま
  • 2021/08/31 01:46